Kensho Nakamuraが放つ、言葉にできない音の力

Photograph Zoltan Czakó

Electric Rust

Kensho Nakamura

水滴が落ちる音、ピアノの音、ノイズ、マリンバ、言葉にならないつぶやいたような声、机を雑巾で拭いたような音。こんな表現で良いのか分からないけれど、とにかく簡単に言葉では言い表せないのが、Kensho Nakamuraの音楽だ。静岡の板金屋で職人として働きながら音楽家でもあり、これまで国内のレーベルJUUSOU Packagingやイタリアのミラノのレーベルpampsychiaから楽曲をリリース。中でも、2022年にスロバキアの音楽レーベルMappa Editionsからリリースされた『Electric Rust』のカセットは、札幌のレコード店/本屋のOven Universeや、兵庫のレコード店のTobira Recordsなど、知る人ぞ知るショップでのみ購入可能だ(在庫状況は要確認)。アートワークを手がけたMadzia Zalewaを含め、音の背景にいる人を知れば、魅力をわざわざ言葉にする必要もないし、カッコいい人がカッコいい人と繋がるのは当然で、人を語る上でそれ以上の説得力はない。Band CampやApple Musicなど各ストリーミングサイトから聴けるのでチェックしてみて欲しく、一度耳にすれば、ジャンルやカテゴライズって言葉がチープに聞こえるはずだ。

¥1650